一般財団法人 国際協力推進協会
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理事長コラム(2015.1)

 1975年9月に創設された国際協力推進協会(APIC)は公益法人改革の中で、2013年4月内閣府より一般財団法人の認定を受け、これまでの蓄積をもとに国際協力推進の諸事業を展開しています。本年はその法人活動を始めてから40周年にあたります。この機会にホームページを全面的に新たにいたしましたが、財団の取り組んでいる国際協力の内容をわかりやすくお知らせし、日本と世界との関わり方の一端をご紹介してまいります。これらを通して日本にとって国際協力の果たす重要性について訴えてまいりたいと考えています。

 今回の話題は、長年財団が取り組んできた日本とミクロネシア連邦との間の協力の進展についてご紹介いたします。

 2014年はAPICにとって躍進の年でした。とくに昨年後半、上智大学及びミクロネシア自然保護基金と連携協定を締結しましたが、これらの有力なパートナーを得たことはAPICの活動にとって大きな前進でありました。このような強固な基盤を背景に、上智大学・APICザビエル高校留学生制度が順調に進展するとともに、APICの斡旋によって、ミクロネシア連邦モリ大統領に対する名誉博士号の授与、上智大学・上智短大とミクロネシア短期大学の連携協定が実現しました。

 このようなAPICの努力に対して、今般、モリ大統領から深甚なる感謝の書簡を拝受したことは特筆されます。その一節を引用いたします。

『拝啓
 佐藤嘉恭理事長殿

 昨年の訪日の際には、貴殿を始めAPICの皆さまには大変お世話になりました。おかげ様で、私の訪日を成功裡に終えることが出来ました。

 (中略)

 既にAPICの支援により、上智大学とザビエル高校との間で留学生制度が発足し、また、新たにミクロネシア短大と上智大学との間で交換留学が始まるということですが、これは、人と人との交流を促進しておられるAPICの成果であると認められ、誠に喜ばしいことだと思います。より高度の教育は、ミクロネシア連邦の発展にとっては、重要な役割を果たすものであり、かかる上智大学との特別な提携は、我が国の発展に大きく貢献するものと考えます。今後とも、我が国の経済開発努力にAPICのご支援を戴けますようお願い申し上げます。

ミクロネシア連邦大統領
エマニュエル・モリ
(署名) 』

 日本との教育交流を組織的にかつ長期にわたり展開することは、ミクロネシア連邦にとっては長年の課題でありました。ミクロネシア・ザビエル高校留学生制度はその第一歩でありますが、日本にとっても画期的な事業であります。APICが上智大学の協力、支援を得てこの課題を推進することにより、日本とミクロネシア連邦との間の関係のみならず日本とミクロネシア(パラオ共和国、マーシャル諸島共和国を含む)地域との相互理解が深まり、その関係の基盤を強固にすることになるものと確信しております。

 グローバル化の時代においてこそ、国際協力を確実に進めることが大切であり、お互いの理解が深まることによりグローバル化の果実が一層大きく実るものと思います。


2015年1月

一般財団法人 国際協力推進協会
理事長 佐藤 嘉恭
(元駐中華人民共和国特命全権大使)

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