理事長コラム(2019.6)
APICは毎年、「太平洋・カリブ記者招待計画」を実施しています。太平洋の島嶼国、中米の島嶼国であるカリブ諸国で活躍しているジャーナリストを招待する企画です。
日本という国を、そして、そこに生活する日本の人々の生活感を観察していただき、これを彼らの筆や映像の力で発信し、日本についての理解を深めて貰おうという試みです。観光もして貰いますが、有識者との懇談を通して日本の直面している課題について理解を深め、「環境と防災」を主題として各地を視察し、避難対策、人命の救助策、
行政の対応などについて相互の知見を確かめあう機会として頂きます。
昨年の第4回目の企画からジャーナリズムを専攻するインターン学生の参加を得て記事を書く現場の経験を学ぶ機会を提供しています。
また、これら地域のジャーナリズムの向上を目指すことを視野に入れ、「APIC Journalism Fellowship」の賞状を差し上げ、彼らのキャリアー・パスに貢献する試みを組み込みました。第1回からの参加者数は21名になりますが、彼らのすべての記事がアーカイヴとして収録されています。
この企画の充実には、フロイド・タケウチ氏とドーン・マトゥス女史のお二人の力添えを頂いています。お二人とも日本在住のご経験がありジャーナリズムの経験も深い方です。APICウェブサイトに詳しい報告が掲載されていますので是非目を通して下さい。
今や世界は質的に変化しています。多様性と共通性の交錯する世界の現況は人類の生存にかかわる諸問題に一致して取り組む時代となっています。この企画がその一助になることを期待しています。
一般財団法人 国際協力推進協会
理事長 佐藤 嘉恭
(元駐中華人民共和国特命全権大使)