一般財団法人 国際協力推進協会
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GREETINGS FROM THE PRESIDENT / 理事長挨拶




2月下旬から3月初めにかけて、ミクロネシア連邦とマーシャル諸島を訪問しました。

南太平洋の島嶼国は、かつて仕事で幾つかの国を訪問したことがありましたが、赤道以北のミクロネシア連邦とマーシャル諸島は私にとり初めての訪問でした。マーシャルは昔、クワジェリン島のことは知っていましたので、大変関心がありました。多くの人にお会いし、多くのことを学ぶことができました。

今回第一の目的は、ミクロネシアで環境セミナーを開催することでした。上智大学のあん・まくどなるど教授と織朱實教授のご参加を得てチューク州でセミナーを開催、現地の政府関係者や市民団体代表等と活発な議論をすることができました。島嶼国の持続性のためにゴミ処理など環境は大変重要なテーマです。またこれまでAPICの事業で留学あるいは訪日した方々と旧交を温め、夫々が各分野で活躍しておられるのを見て、大変嬉しく思いました。またAPICが寄贈した雨水貯水タンク設置の現場を視察、実際役に立っていることを見ることができました。小雨の中、村の皆さんの温かい歓迎を受けました。更に、APICが上智大学と協力して受け入れている留学生の母校ザビエル高校を訪問、学生達の大歓迎を受けました。若者達のエネルギーに感激しました。ケニー神父、カール校長と、この事業の成果を確認し合いました。

チュークの後再びアイランド・ホッパーに乗り、首都のあるポンペイ島に行きました。シミナ大統領、パリク副大統領、ロバート外相に表敬しました。APICの活動も良く理解して頂いており、今までやってきた支援の手応えを感じました。ポンペイには、国連ミクロネシア広域事務所が新設され、国連の支援も一段と強化されています。

ポンペイ島の後、コスラエ島とマーシャルのクワジェリン島経由で、マーシャルの首都マジュロに着きました。全島が海抜約2Mで非常に平坦な島、米国風のオープンな明るい島というのが第一印象でした。到着が3月1日のビキニデーの前日だったので、飛行機は海外からの訪問者等で満席でした。気候変動はマーシャルにとり現実の脅威となっています。また米とのコンパクト合意の米議会承認の遅れにより米の支援支払いが滞り、問題となっている時でした(問題はその後解決)。

両国には25年の日本統治と戦争の跡が今でも随所に残っています。何れも日本にとっては大変大事な国です。他方で、太平洋の莫大な広さを実感しました。大洋の真ん中での経済発展は容易ではありません。野菜や果物等消費物資はほぼ全面的に輸入に依存しています。スーパーでは日本のポッキーチョコレートも見ました。日本等関係国の支援をどう増やすか、環境を守りながらどう発展するか、多くを考えさせられる旅でした。間もなく東京で開催される第10回太平洋・島サミットに期待したいと思います。

2024年7月

一般財団法人 国際協力推進協会(APIC) 理事長
重家 俊範

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