カリブ地域で環境セミナー
一般財団法人国際協力推進協会(APIC)は、2015年7月に上智大学と共催で、「太平洋地域における環境保全シンポジウム」を上智大学において開催し、環境セミナーシリーズとして、第2回目は、2015年8月にパラオで開催したところですが、本年は、同シリーズとしてカリブ地域で初となるセミナーを、10月31日に、ジャマイカの西インド諸島大学(UWI)で開催しました。APICからは、島内評議員(政府日・カリブ交流年担当大使)と荒木理事・事務局長が参加、APICを代表して島内大使が挨拶をし、荒木理事・事務局長がセミナーの司会を行いました。
会場は、UWIのEon Nigel Harris Council Room (大会議室)で、同大学の環境学の教授陣のほか、トリニダード・トバゴの大使、環境省の幹部などを含めて、約50名の参加者がありました。講師は、上智大学地球環境学研究科あん・まくどなるど教授で、昨年のパラオに引き続いて講師を引き受けて頂きました。
冒頭、共催のUWIの副総長代理であるBernal大使(元駐米大使)の歓迎の挨拶では、APICの学生招待や今回のセミナー開催に対する謝意のほか、昨年の安倍総理のジャマイカ訪問の際に上智大学とUWIの間で締結された覚書(MOU)に基づき、両大学の交流が深まることに対する謝意と今後の交流に対する期待が表明されました。
島内大使からは、APICの事業の紹介、特に、カリコム諸国との間では環境が重点分野であること、今般は、特に、APICと上智大学の間のMOUに加えて、安倍総理の訪ジャマイカの際に締結されたUWIと上智大学のMOUに基づき、こうした交流が行われることは喜ばしいことであると挨拶、まくどなるど先生の紹介も行われました。
講演では、まくどなるど教授が、「Charting Island Futures: Exploring Effective Policies in the Face of Climate Challenge and Environmental Challenges」という題で、プレゼンテーションを行い、日本では、環境と漁業のバランスを取るため、一律の政策の押しつけではなく、地域地域で、漁業関係者と環境の専門家が話し合って解決しているという例をいくつも紹介されました。質疑応答においては、大学教授や環境省の代表からも熱心に質問があり、環境に対する関心の高さとレベルの高さを再認識したところです。また、翌日のUWIの海洋研究所訪問(Marine Laboratory)においても、ジャマイカの高校生全員が環境科目を必修としており、同ラボの教授が高校に出向いて授業をしたり、また、高校生がラボで体験学習をするなど、ジャマイカの環境に対する関心とレベルの高さに、まくどなるど教授も含め、出張者は感銘をうけました。
なお、セミナー翌日、島内大使はジャマイカ外務大臣との会談に臨みましたが、同会談終了後に、まくどなるど教授と荒木理事・事務局長も参加し、外務大臣にセミナーの模様について報告したところ、かかるセミナー開催は日本とジャマイカの交流に寄与するものであると高く評価されました。
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