サモアにて太平洋環境セミナー開催
APICは、2015年7月に上智大学と共催で「太平洋地域における環境保全シンポジウム」を開催して以来、環境セミナーシリーズとしてパラオ(2015年8月)、ジャマイカ(2016年10月)、マーシャル諸島(2017年3月)、バルバドス(2017年9月)、ミクロネシア連邦ポンペイ州(2018年3月)、トリニダード・トバゴ(2018年8月)と各地でセミナーを開催してきました。今回、太平洋地域では4回目の開催となります。
セミナーにおいては、30名以上の環境に関心を有する人の参加がありました。まくどなるど教授の講義では、気候変動の影響で日本でもみかん、りんご、米などの作物に被害が出ていることや、日本の漁業、特に海女がいかに環境保全を図りながらバランスをとった漁業を営んでいるかの事例が紹介されました。また、東北の大地震津波で被害を受けた住民が、コミュニティとして一丸となって復興に取り組んでいる事例や、江戸時代以前から日本では森林と漁業のリンクの重要性に気づき、「魚付き林」、「網代山」、「小魚影林」などの言葉があるように、山と海のリンクの重要性なども幅広く、紹介されました。質疑応答では、漁業関係者から「伝統的な知恵の中に環境とのバランスを取る上で鍵があるという説明があったが、それをいかに科学者や政策決定者に伝えて活かしていくべきか」という質問が出るなど、およそ30分にわたり、活発に意見交換が行われました。
サモア訪問の機会に、青木大使ご案内いただき、政府要人の表敬訪問も行いました。セミナー翌日の15日午前中には、フィアメ・ナオミ・マタアファ副首相兼環境大臣を表敬訪問し、島内評議員から前日のセミナーの報告とAPICの活動について説明し、まくどなるど教授からは、APICと上智大学の連携協定に基づき、環境セミナー等を開催していることや上智大学に"Island Sustainability Unit"が設立されたことなどを説明しました。副首相は以前、教育大臣に任命されていたこともあり、大変関心を示し、同国にとっては、Waste Managementが最重要課題であること、NHKニュース等をよく見ることなど日本には親しみを感じているという話がありました。その後、本年7月にAPICによる招聘を予定しているシリ・エパ・トゥイオティ財務大臣とオスカー・トーマス・マリエレガオイ財務次官を表敬訪問しました。大臣は来日した際には財務省幹部やJICA幹部への面会を希望することを述べました。
(フィアメ副首相兼環境大臣(前列中央)と青木大使(前列右))
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