◆APICによるオリエンテーションと歓迎夕食会
　8月29日午前、APICは、ビルン・サリー大酋長一行に、オリエンテーションを行いました。重家俊範理事長は、一行を歓迎した後、日本の政治・経済・社会情勢について説明しました。その後、側嶋秀展常務理事代行と荒木恵事務局長から一行の日程等について説明を行いました。一行には、週末を除き、全行事に側嶋常務理事代行が同行しました。
　また、8月29日夕刻、APICは、重家理事長主催の一行歓迎夕食会を開催しました。同夕食会には、アデルバイ駐日パラオ大使を始め日パラオ関係に従事されている方々やパラオからAPICの奨学金プログラムで上智大学に留学している学生を含め、約20名が出席し、和やかな雰囲気の下、一行を歓迎しました。


◆野菜作り現場の視察、説明の聴取等
　ビルン・サリー大酋長は、パラオにおいて野菜作りを振興することに関心があり、埼玉県で農場視察等を行いました。まず、8月29日に深谷市の「ヤサイな仲間たちファーム」を訪問し、そのレストランで野菜を中心とする昼食をとった後に、同ファーム構想を提案して実現させ、現在、同ファームの責任者を務めている松村佳代氏から、同ファームにおいて、様々な野菜を栽培し来訪者にこれらを収穫する体験をしてもらっていること、同市で収穫された野菜等をそこのマルシェで販売していること、野菜を中心とする食事を提供するレストランを運営していること等について説明を受けました。その後、上里町の須賀農場を訪問し、同農場が長年、化学肥料を使わずに植物性堆肥のみを使った自然農法で野菜作りをしていること等について説明を受け、ピーマンと茄子の栽培の状況を視察しました。8月30日午後には、さいたま市の関東農政局を訪問し、関東における野菜の栽培状況等について、8月31日を「野菜の日」とし、野菜の消費拡大のための取組が行われていることを含め、詳しく説明を受けました。これに先立ち、一行は8月30日の午前中にJICA本部を訪問し、JICAによるパラオに対する協力やJICAの農業関連支援策等について説明を受け、今後、パラオにおいてJICAから野菜作りに関する協力を得る可能性について議論しました。
　

（JICA）

◆土屋品子復興大臣との会談
　ビルン・サリー大酋長一行は、９月２日午前、土屋品子復興大臣を訪問しました。
　土屋大臣は、一行を歓迎し、父（注：故土屋義彦元参議院議長・元埼玉県知事）が、戦没者遺骨収集等で大変お世話になっているパラオとの関係を重視していたが、自分も父の遺志を引き継ぎパラオとの関係の発展に尽力していきたい旨述べ、ビルン・サリー大酋長は、日本からのパラオに対する支援に感謝し、自ら組織している団体の会議について、文化・伝統、健康、教育、環境を重視し、毎年会議を開催していることを説明するなど、友好的な雰囲気の下で、女性のリーダー同士の意見交換が行われました。


◆週末日程
　8月31日（土）及び9月1（日）の週末は、パラオ大使館が一行に同行しました。一行は、8月31日は、都内のセブンスデーアドベンティスト教会の礼拝に出席し、9月1日は、バイオリン・ピアノ・チェロの三重奏のコンサートを鑑賞しました。
　パラオの女性伝統的指導者一行は、１週間未満の滞在でしたが、台風１０号が日本に上陸する中、日本の野菜作りに関する情報を得、日本の女性の大臣と意見交換するなど、当初の予定をすべて無事実施して、帰国しました。

（以上）