インタビュー:アジア開発銀行駐日代表事務所 玉置知己代表
~アジア諸国地域の現状とこれからの課題~
ADBでは、貧困削減、インフラ整備、災害対策などの支援や、気候変動、環境問題にも寄与して、アジア太平洋地域の開発途上国の発展を支援する重要な役割を担っています。 今回の訪問ではまず、玉置知己代表に、アジア太平洋地域の経済状況に関する説明を受けた後、ADBに対する日本の貢献を含むADBの概要と役割などを、丁寧に説明していただきました。【2016年2月17日実施。聞き手:APICインターン生 青柳(麗澤大学)、渡邊、松河、科埜(上智大学)】
○ ADBとAPICの共通点とは
インタビューを通じて、ADBもAPICも、開発途上国を対象に重要な支援を行っていると感じました。国レベルでの協力関係で支援を行っているように見えますが、人と人との協力関係が非常に重要だということに気づきました。玉置代表は、「ADBは開発銀行として、開発途上国の発展に寄与するために、プロジェクトの経済性だけでなく環境や社会に対する配慮などを含めた質の高い支援を心掛けている」とおっしゃいました。APICにおいても、援助を受け取る側との信頼関係があってこそ、様々な事業を展開することができています。その「信用」に基づいて、先進国である日本だからこそ開発途上国に提供できる、技術伝達やシステムづくりなどを支援することが、国際機関であるADBやAPICの役割であり、共通点であると私は考えます。
○ ADBが取り組む最大の課題、アジア地域の貧困問題
ADBは、設立当初から貧困問題を最大の課題として扱っており、貧困率が大きく低下した現在でも、インクルーシブ・グロースなど、貧困に配慮した支援を実施しているそうです。玉置代表は、「貧困問題と一言で表せても、具体的にアプローチする際には、貧困問題を解決するための手段は多様です。ADBでは、アジアの開発途上国におけるインフラ整備や、防災リスクのマネジメントなどADBの様々なオペレーションにおいて貧困削減に配慮するようにしています」とおっしゃっていました。「貧困」を「貧困率」でみるのではなく、貧困人口、さらに自然災害や経済的ショックに対して脆弱な人口を見据えて真摯に向き合っていくことが必要だそうです。また、「将来、いわゆる貧困地域にあたる開発途上国の国民が、自力で互いに協力して生きていけるような『ベース作り』をすることが一番重要だ」という玉置代表のお言葉を聞いて、ただ資金援助などのハード面だけではなく、ソフト面の支援こそが重要である、という国際協力の本質を考えるきっかけになりました。
(左から:APICインターン青柳さん、松河さん、科埜さん、渡邊さん)
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