ナン・マドール遺跡 ユネスコ世界遺産登録 ―APICが保存に協力
ミクロネシア連邦のポンペイ州にあるナン・マドール遺跡が、この度ユネスコ世界文化遺産に登録されました。ナン・マドール遺跡は、ポンペイ島南東部のテムエン島南東麓に位置し、大小約95の人工島で構成され、太平洋地域において最大の規模を誇る巨大遺跡です。
「ナンマドール」とは現地語で、「神々と人間との間に広がる空間」という意味を持っています。ナン・マドールは、西暦1000~1600年ごろにポンペイ島を統治していたシャウテレウル王朝の都として、政治・信仰の中心の特別な海上都市として栄えました。遺跡内には、王や神官の住居や墓地、集会場などがあったことが確認されています。また、外洋からの入り口は一つで、遺跡内の島々を移動する際に、人々はカヌーを使用していたとされています。
島の大部分がマングローブに覆われているため、開発が進まず、神秘的な姿のまま残されています。貴重な遺跡であるので、連邦政府や州政府による保護が行われていますが、十分ではなく、今回、世界遺産と同時に危機遺産にも登録されました。
今般、APICは、カンボジアのアンコールワット遺跡保存で著名な石澤良昭上智大学前学長やナン・マドール遺跡を長年研究してきた片岡修関西外国語大学教授などの協力を得て、同遺跡保存の支援を決定しました。
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